ボバーの特徴
ボバーとは、髪型のボブカットの「ボブ」と同じ語源を持ちます。
「ボブ」とは簡単に言えば「短くする」ということで、バイクの場合、余計なものをカットして短くしたシェイプを持つカスタムバイクのことです。
その特徴をいくつか挙げると、まず非常に太いタイヤを履いていることで、前輪に16~19インチ、後輪に16~18インチタイヤが多く見られます。
また、ホイールの色をブラックにする場合も多いです。
ボバーの語源どおり、余計なものを削ぎ落としたスタイルもその大きな特徴です。
原点を辿ればスピードを極限まで追求するダートトラックレーサーに至るため、シート、スイッチボックス、メーター類は極力コンパクトにし、さらにリアフェンダーは短く、フロントフェンダーは取り外すなどして軽量化を図っています。
外観のスタイルとしては、ロー&ロングがボバーの特徴です。
ハーレーダビッドソンに特有のスタイルですが、もともとボバーが1950年代に遡ることと大きく関係しています。
Vツインエンジン、リジッドフレームなどのスタイルもボバーに向いているでしょう。
ボバーの歴史
ボバーの歴史を遡ると、アメリカで1950年代に盛んだったダートトラックレースに行き着きます。
先述したように、このレースはスピードを追求した結果、参戦するマシンは徹底的に無駄を取り除かれました。
また、ダートコースをしっかり走れるように太く厚いタイヤを履いているのも特徴です。
こうしたダートトラックレーサーの特徴を、ボバーは受け継いでいます。
また、ボバーに近いスタイルに「チョッパー」があります。
こちらも無駄を削ぎ落としたスタイルが基本のカスタムなのですが、チョッパーの方は最初からストリートで生まれたのがボバーと異なるところです。
その結果チョッパーはスタイルの独創性を追求するようになり、ボバーはあくまでスピードを重視するという違いが生まれました。
ボバーカスタムに向いている定番バイク
ボバーカスタムには、そのスタイルを受け継いだハーレーダビッドソンのモデルが向いています。
なかでも「フォーティーエイト」は、ボバーにぴったりです。
その名のとおり、もともと1948年に登場した小排気量モデル「S-125」を由来としています。
このS-125はダートトラックレースにもよく起用されていたので、ボバーの祖先と言っても良いでしょう。
ハーレーダビッドソン以外では、同じくアメリカで1950年代に人気を集めたインディアンモーターサイクルの「チーフボバー」も定番です。
ボバーの名がついてるように、「チーフ」という人気モデルをボバー風にしたモデルとして人気を集めています。
前後輪とも16インチの太いタイヤ、Vツインエンジン搭載、リジッドフレーム式と、しっかりボバーの特徴を備えた完成度の高いモデルです。