ブレーキフルードの役割について解説
ブレーキフルードとは、ブレーキレバーの力をキャリパーに伝える役割を持ったパーツです。
ブレーキフルードが正常に機能しなくなると、ブレーキが利かなくなってしまう恐れも出てくる重要な部品です。
油圧式ブレーキの場合、ブレーキフルードはシリンダーとブレーキキャリパーとの間に位置しています。
ブレーキホースでつながれているパーツがあるでしょう。
これがブレーキフルードです。
フルードが内部に入っていて、ブレーキレバーを握ると、フルードを介してキャリパーにその圧力が伝わります。
その結果、ブレーキが利くわけです。
ブレーキフルードの交換が必要なのは、フルードと呼ばれる油の一種が長年使い続けると劣化してしまうからです。
フルードはもともと200度でも沸騰しない性質を持っていますが、水分を吸収することで劣化し、沸点も下がってしまいます。
最初のうちはブレーキの遊びが増えたなと感じる程度で、制動性能についてはそれほど大きな影響は出ないでしょう。
しかし、そのまま放置していると徐々にブレーキが利きにくくなって、ペーパーロック減少といって、最悪ブレーキをかけてもその圧力がキャリパーに伝わらなくなることもあり得ます。
ブレーキフルードの交換手順について紹介
ブレーキフルードを自分で交換するのであれば、いくつか必要なものがあります。
まずは交換するフルードです。
そのほかには、フルードを抜き取るためのスポイトやボルトを動かすためのスパナ、フルードをふき取るためのウエスなどを準備しておきましょう。
まず、マスシリンダーのキャップを外しましょう。
中にゴム製のふたのようなものが見えるはずですが、これはダイヤフラムと呼ばれます。
ダイヤフラムを外すのですが、この時ブレーキフルードをこぼす恐れがあるので、慎重に取り扱ってください。
ウエスをマスターシリンダーの周りにカバーしておくと安心です。
こうなるとブレーキフルードが現れるので、劣化したものをスポイトで抜き取りましょう。
すべて抜き取り終えたら、新しいフルードを注入していきます。
フルードを充てんしたら、ダイヤフラムをかぶせるのを忘れないようにしてください。
これを忘れると、レバーを握った勢いでフルードが外に飛び出す恐れがあるからです。
続いて、ゴムホースをブリーダープラグにセットします。
ホースの片方には、フルードを貯める容器を準備します。
次にブリーダーボルトを緩めていきますが、この時、ブレーキレバーは握った状態で作業してください。
古いフルードが容器に流れ出ていきますので、これを何度か繰り返すときれいな黄金色の新しいフルードが出てきます。
こうなったら交換は完了です。