バイクのチェーンのしくみと劣化のシステム
バイク用のチェーンは自転車で同じしくみのものを見かける以外、日常生活で似たようなものを見かけることはほとんどありません。
「チェーン」という名称ではあるものの、工事現場などで見かけるワイヤーや鎖とは全く異なる構造をしていることがわかります。
バイク用チェーンのメンテナンス方法を学ぶためにはまず最初にどういうしくみをしているかということを理解しておくと便利です。
バイクチェーンは別名「ドライブチェーン」と言われており、複数のパーツにより複雑に構成されています。
ざっくり説明すると、1cm程度の細いピンを包み込むように軸受の「ブシュ」があり、それをさらに包み込む「ローラー」がついています。
この3つが重なったのが一本の軸で、それを左右で並べる形でプレートがつきます。
プレートは8の字をしており、右と左に一つずつつけて連結させていくことによりひとつの環になります。
チェーンにも大きさの規格があり、#40、#50、#60という三種類が主に流通しています。
サイズはインチ単位になっているので分かりづらいですが、定期的に交換が必要な部品なので愛車の規格はわかるようにしておくと便利です。
さてそこで劣化についてですが、長く乗らずにいるとどうしても発生してしまうのがサビです。
サビや腐食が発生したチェーンは強度が弱くなるとともに、回転に抵抗が出てくるので小さいうちに除去しておくことをおすすめします。
しっかり洗車のときに注油をしておくようにすればサビはあまり発生しないのですが、どうしても長く使用しているとたるみが発生しやすくなります。
いわゆるチェーンが「伸びた」状態で、ひどくなると走行中にチェーンがこすれる異音が発生するようになります。
チェーン部分から音がする時は、伸びの他に異物が挟まっていたりということも考えられるので、早めに点検をした方がよいでしょう。
交換の目安と費用
チェーンの交換は定期的に必要な作業ではあるものの、作業はかなり手間がかかります。
チェーンには大きく二種類があり「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」がありそれぞれ交換の目安が異なります。
シールチェーンは約15000~20000kmくらい、ノンシールチェーンは約5000kmに一度交換をしていくようにします。
チェーン本体はそれほど高いものではなく、安いものなら一本600円程度から購入できますが、中には数万円もする高級品もあります。
業者に依頼した場合の工賃は2500~5400円くらいが相場となっています。
これはバイクの種類によって異なり、SSのようにカウルがチェーン部分を覆っていて作業のために取り外しをしなければいけない部分が多いバイクほど高くなります。