利便性がメリットの分離式給油
バイクに2サイクルエンジンオイルを供給する際には、分離式と混合式と2種類の方法があります。
その中でも利便性を重視するなら、分離式給油方法がおすすめです。
この方法ではガソリンの量に対してオイルの量を測る手間が不要で、目安量でエンジンオイルを補充するだけでOKです。
メンテナンスでエンジンオイルを供給したい時には、とても便利な方法だと言えるでしょう。
しかし、分離式給油方法にはデメリットがあります。
それはエンジンやパワーのロスが発生しやすいという点です。
補充したオイルがエンジンに供給されるためには、オイルポンプという仕組みが必要不可欠です。
このポンプの駆動には、バイクのエンジンが使われます。
つまり、エンジンパワーの全てを走行に費やすことができず、一部をエンジンオイルの供給に使わなければいけません。
そのため、混合式の給油方法と比べると、エンジンやパワーのロスが起こりやすいというデメリットがあります。
また、このメカニズムを作り出すためには新たなパーツや構造が必要となります。
その結果、バイクの構造がより複雑になってしまいますし、車両の重量も重くなります。
さらに、構造が増えることによってトラブルが起こるパーツも増えるというデメリットがあります。
馬力のロスがない混合式給油とは?
混合式の給油方法では、ガソリンとエンジンオイルの混合比率を自分で自由に調整できるというメリットがあります。
さらにエンジンオイルをガソリンへ供給する際に馬力のロスが起こらないため、エンジンが持つパワーを全て走行に費やせるという点も混合式の魅力です。
エンジンがオイル供給に使うパワーは、全体の数パーセント程度ですが、車種によってはこの数パーセントが大きな体感となるケースもあります。
また混合式給油では、エンジンオイルを供給するための構造システムが必要ありません。
そのため、バイクの軽量化という点でも大きく貢献してくれます。
デメリットとしては、ガソリンを給油する度に、エンジンオイルを混合する必要があり、手間がかかって面倒という点が挙げられます。
バイクの軽量化や馬力を少しでも無駄にしたくないレースなどにおいては、この手間を考えても混合式給油の方がメリットは大きいでしょう。
しかし、多少の馬力ロスでも利便性を取るなら、分離式の方がメンテの点では楽です。
現在混合式は生産されていない?
混合式給油は、エンジンが持つパワーや馬力を少しでもロスしたくないレースなどのシーンで活躍してくれます。
ただし排気ガス規制が強化されたことによって、この2サイクルエンジンの将来性は決して明るいものではありません。
現在の日本においては、既に混合式給油は生産が中止となっています。